平安物語=短編集=【完】
どうしたら良いものか、途方に暮れてしまいました。
つい先程までは明らかに右大臣様をお慕いしていて、ただ受け入れるか否かだけを迷っていたのです。
しかし、私は少将様と結婚した方が結局のところ幸せなのかもしれません。
女はきっと、愛される方が幸せになれるでしょう。
でも…右大臣様を想うと胸が締め付けられるように苦しいのです。
少将様を選んでも、私は右大臣様を恋しく想ってしまうかもしれません。
そんな事になったら少将様には申し訳も立ちませんし、私自身もどんなに辛い事でしょう。
しかし一方では、飾らずありのままの私で接せられる少将様なら、すぐに愛情が湧くかもしれないとも思います。
それに何より、少将様を失うのは怖い…