平安物語=短編集=【完】



しかしそれから間も無く、私に中宮宣下が下されました。

最終的に、政治的混乱を招くことを何よりお恐れになったのでしょう。

中宮になって初めて帝にお逢いした時、帝はお優しくお祝いなど仰ってくださいましたが、そこにはやはり愛は無いのでした。

慣れたとは言え、若干の期待をしてしまった私は一人涙にむせびました。



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