罪線シンドローム
炎がいよいよ目前に迫って来た時、俺は今までの行いを思い返していた。


幾人もの身体を傷付け、時にはその命さえも奪って来た。


「……フ……フフ……」


幸せになどなれる筈もない。
そう思うと、悲しみと共に、小さな笑いが零れた。


神様だか仏様だか解らないが、きっと居るのだ。

今が報いを受ける時。


いくら罪を償い、生まれ変わろうとも、彼女に巡り会える事はないだろう。


「……さよなら」


往生を心に決めた……その時だった……。


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