男×男!?
Side 神楽
ヴーヴーヴー
「?」
【着信 神崎】
神崎じゃん。
珍し…。
学校の中での携帯の使用は禁止だけど相手が神崎ならいっか。
登録人数が少なくて使う事が滅多にない携帯。
去年買ったのに傷は全然ない。
けっこう綺麗なんじゃないのかな。
電話もメールもしないし。
「もしもし?」
『おぅ…』
「神崎?」
『……。』
「おーい。悠ちゃん?」
『っ…。今日のテストっ!!75点以上取ったら何か食わせてやるよっ!!!!』
「;;」
受話器から聞えるあまりにも大きな声に、眉間に皺を作りながら聞いていた。
でも顔は少し緩んでいる。
耳から携帯を少し離すと、最後に
『じゃぁなっ!!!!』
と、これまた大きな声が聞えた。
受話器から離しても聞えるなんてすげぇな(笑)
プープーと聞えて、携帯をまたポケットにしまうと、顔の緩みが止まらなくて、こんな顔見られたくなくて、窓を開けて手で顔を隠して笑った。
「ほんと…元気な奴だよ…」
昨日のあの沈んでた顔はどこ行ったんだよ;;
忘れるのも早いなぁ;;
まぁ、そこも好きだけど。
「あー…早く戻んねぇかなぁー…」
開けた窓からは緩い風が入り込んで気持ちよかった。
何で―…。
こんなに好きなんだろ…。
そぅ思うと何だか気持ち悪くてつい緩みが消えた。