人形と歯車
悩んだ末に中井にはイチゴを持っていった。


財布のエコだ、と須藤が言ったのは黙っておこう。



「で、なんで一人なの??」



壇上に佐藤がのぼって表彰された話をした感想がこれ。



「俺が嫌だったから一人で言ってもらったんだよ」



「ふうん。わたしも行っても良かったけど親が休みなさいって」



「来ても質問ぜめにされまくるから休んで正解だったと思うよ」



佐藤が言った。



部屋にはファンシーグッズはなく。一人暮らしの男の部屋みたいに殺伐としていた。




「…考えたっていうか思ったんだけど久家の様子変じゃなかった?」



「それはそうだけど…」



「ダダ。中井。もう忘れようぜ」



ほら桃鉄でもしようぜ、と須藤が笑った。
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