人形と歯車
委員会が無事に終わる。



副委員長の川口さんと駅まで帰っている。



話すこともなく、あたりさわりのない会話を続けていた。



「なんだか佐藤くんってすごいよね」



「急にどうしたの?」


「スポーツ出来るし、頭はいいし、ドラえもんみたいに何でも持っているし」



川口さんが読みたいと言っていた本を偶然持っていただけだった。


「ドラえもんで良かったよ」



「なんで?」



「ジニーだったら三つの願いを叶えないといけないからね」



「三つの願いね…佐藤くんなら何を願うの?」



「さぁわからないよ。願う前に努力するタイプだからね」



「リアリストなのね」


「つまらないやつ、と言われなくて良かった」



佐藤と川口さんは改札で別れた。



電車が来るとホッとする。
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