人形と歯車
「恐喝される役を頼んだのはそいつにそれをする必要があったこと。やる根性がなかったこと。そしてやったことでそいつにメリットがあったこと。ぼくが黙っていれば仲間に認められる、と言っていたよ」




「喋らない代わりにお金を?」




「そう。お金をくれ、っていうとすぐにポン、と出すんだ。だからぼくもアルバイトをすることもなく、遊んでいられたんだ。でもさ、お金って使うとなくなる。」




「もっとほしくなるためにネコを運んだっていうのか?」




「さらに大きな秘密がないと・・・それも学校にいられなくなるくらいのやつがないと金を出さないと思ったんだ。だからネコを殺させた。一度目は自分で運んだよ。でも気付かれなかった。」



「二度目をなぜ、久家が?」



「スリルを体感してみたかったんだ。あの日、運び終えたあいつは震えながらもう辞めようよ、って言い出したんだ。こんなにおびえるほどのことならぼくもってね」



「運悪く俺がいたってことか?」



「そう。天罰が下った、と思った。本当は見付かりたかったのかもしれない。」




「誰かに止めてほしいってことか?」




「わからないけど多分そう。ぼくも自分が怖くなってきたんだ」




「だから、ごめんなさい、か?」




「パニックになっちゃったんだ。」




「うん。たぶんそう」




ルービックキューブをキュッと回した。




一面が出来た。




真っ白な一面だ。
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