花火
『来週は無理なんだ。お盆休みでしょ?実家に帰らなきゃ。ごめんね』
嫌なことは続くものだ。続け様に浴びせられるショックの前に、ただただ立ち尽くしているだけの自分がいた。ほんの数日前までの、満たされた気持は見る影もなく、目の前には、長い長い二週間という時が立ちはだかった。大丈夫、たった二週間ではないか。こんな時もあるさ、たまたま間が悪かっただけだ。会えなくとも、携帯電話という現代機器が、二人の心を繋いでいてくれる。慰めの言葉を、励ましの言葉を次々と並べた。肉体的なものでなく、精神的な疲れが体を蝕んでいく。今日は早く休もう。

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