花火
翌日実家に戻ると、全てがぎこちなく、余所余所しかった。両親の態度も、居間のテレビもソファーもテーブルも、私の部屋のカーテンも机もベッドもテーブルも本棚も、全てが私に嘘をついていた。みんなして私を騙そうとしていた。だから私は一日の大半をここで過ごした。船溜まりから見える海と、風だけが私を素直に受け入れ、居場所を与えてくれた。来週の土曜日は、たっくんの誕生日だ。何があっても会いに行こう。その思いだけを糧に、これから数日間を生きて行こう。
朝少し遅めの時間に目覚め、少し食事を取り、五、六種類の薬を飲み込む。太陽の光と海風に包まれ、日が暮れるのを待つ。そんな日々を過ごす内に、少しづつ落ち着きを取り戻していった。
朝少し遅めの時間に目覚め、少し食事を取り、五、六種類の薬を飲み込む。太陽の光と海風に包まれ、日が暮れるのを待つ。そんな日々を過ごす内に、少しづつ落ち着きを取り戻していった。