花火
「そうしたらたっくんが帰れなくなっちゃうよ。だから今日はここまででいいよ。タッピー、ありがとね」
無情にも、定刻通りに総武線千葉行きの電車はホームにやってきた。「帰ったらメールするね」そういって手を離した春香は、どこか寂しそうだった。タッピーを受け取り列車に乗り込み、そして扉が閉まった。最後に春香は、手を振りながら複雑な笑顔を見せてくれた。
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