花火
約束の十分前に篠崎駅に着いた。すでに駅内は沢山の人で混雑し、ホームから階段を上り、改札を出るのも一苦労だった。待ち合わせの北口を出たところで春香の姿を探すが、こうも人が多いいと一筋縄ではいかない。観念して携帯電話を取り出すが、回線が込み合っているのか、プッ・プッ・プッ、という電子音が聞こえるばかりだ。諦めず繰り返し電話をかけ続けると、三回目でやっと繋がった。
『ごめん、今篠崎駅に着いて、改札に向かっているとこ。たっくんはもう着いてる?分かった、じゃ急いで北口に向かうね』
この分だと後五分は待たされるな。
『ごめん、今篠崎駅に着いて、改札に向かっているとこ。たっくんはもう着いてる?分かった、じゃ急いで北口に向かうね』
この分だと後五分は待たされるな。