恋愛スキル


「ホンモノは松浦が元気になるまでお預け。

だから頑張るんだ。
松浦なら、絶対に大丈夫。

今は自分自身を大事にする事を、一番に考えるんだよ」



浅利先生の真剣な優しい瞳は、私を掴んで離さない。



先生が励ましてくれる。


先生が私の事を想ってくれている。



そう感じられる先生の言葉は、安心と勇気を私にくれたんだ。



先生が―――


あなたが見ていてくれるから、私は強くなれるんだよ。




私は、先生の首に腕を回し、ギュッと抱き付いた。


「私の居場所……出来たから。
私、頑張れます。

……ありがとう先生」


浅利先生の柔らかい髪に顔をうずめる私に……


「ああ。いつでも会いに来るから」



そう優しく抱きしめ返してくれた。





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