恋愛スキル


校門に入り長澤と別れると、俺は自転車を停め、職員室で軽く挨拶を交わし美術準備室に向かった。


まだ生徒が来ていない静まり返る美術室の鍵を開けると、自分の部屋と化した準備室で、いつものペンキだらけのつなぎに袖を通した。



トントン。


もう生徒が来たのか?


「おう!開いてるぞ~」


ノックの音の主に向かって声をかけると、ドアが開いて……


入って来たのは……


「郁斗。話があるの。少し時間貰えないかな?」


俺の元カノ。淘子だった。




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