恋愛スキル
クラスメイトとは、話かけてくれば話すし、誘われれば遊ぶ。
そんな程度。
自分からは、行かない。
だって、いろんな面倒事に、巻き込まれないで済むし、これが楽だから。
そうやって私は、この中学生活を乗り切っている。
二年の春。
あまり、変わりばえしない教室。
クラスのマドンナが最近、A組のサッカー部の男子と、付き合い始めたらしい。
そんな噂は、あっという間に広がり、初体験を済ませたとかで、女子達の注目を集めていた。
「マドンナ、Cまでやったんだってー!」
前の席の、ミーハーな朋美が、私に振り返りながら言う。
「そうなんだぁ、流石マドンナだね」
私は、愛想笑いで答える。
正直、そんなの興味ない。