薔薇の欠片
やめろ
「やめろ! やめろ!!」
気付けば、僕の瞳からも雫が零れ落ちていた。
美しい湖で、
僕らを照らすのは月だけだった。
僕は何度もやめろ、やめろと繰り返す。
「全部……」
……ごめん
「全部、
君が悪いんだ」
君を選んで、ごめん。
「全部、君が悪いんだ。
君が、あまりに僕を照らすから。
太陽のように照らすから。
ふわり、ふわりと笑うから。
そんな、何も知らないような
汚れた世界を知らないような心を持ってるから。
そんな、そんな……
君だから……
君が悪いんだ。
僕に出会った、君が悪いんだ……」
彼女の手が、僕の頬に触れていた。