薔薇の欠片



心の中が愛で満たされていく。





何も覚えていないはずなのに、

僕は君の名前を呼んでいた。




君も、僕の名前を呼んだ。




何故、こんなにも彼女を愛しく思うのかはわからない。




だけど、


理由はいらないだろう?





彼女は僕の名前を読んだあと、力が抜けたように笑った。




「本当に、玲がいる……」




そう言うと、彼女は立ち上がろうとした。




……待って



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