薔薇の欠片



僕は彼女の服の裾を引っ張った。


その勢いに任せて彼女は僕の胸に飛び込んだ。




「離れないで……」




僕は彼女を強く抱きしめた。



すると、


彼女は笑って、泣いた。




「同じようなこと、

 私も貴方にしました」



「……うん。そんな気がした」




彼女も僕の背中に手をまわした。




「離れたりなんか、したくないです」




うん。


そうしよう。



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