コンビニラブ
「やっとそーなったかぁ!」


次の日、由衣の家に遊びに来ていたちひろが言った。


「うん!ありがとうね、ちひろ!」

「ケンちゃんもさ、やりすぎじゃないかって言ってたんだけどさ、“あの由衣がまだだってゆーんだから、伸ちゃんって、よっぽど堅いんだ”と思ってさ!」

「何それ!」

「これでなんもなかったら、ケンちゃんが由衣に合いそーな友達紹介してやるって言ってたんだよ!」

「でも、もう大丈夫です!」

「良かったね!やっぱ、あたし、伸ちゃんじゃダメだったなぁ!」

「…あたしね、伸ちゃんみたいなタイプ、初めてなの!てか、今まであーゆー人と出会わなかっただけだったんだろうけど…」

「これで、あの時邪魔しちゃったお返しができたよ!」

「どーもでした。」


あの日、ちひろの彼氏とのイチャつき振りは、
すべて、その後のことを計算されたものだった。


計画は、ちひろが企てたモノではあったが、
その前に、由衣が相談したことがきっかけだった。


由衣にとっては、
何もしてこない伸治の気持ちが、分からないことが不安で仕方がなかったのだ。


そして、それを深刻におもったちひろの作戦は、
古いようで、上手くいった。


ほおっておいても、
いつかは、そうなったに違いないのだが、

そんな伸治に夢中になる由衣は、
伸治にとっても貴重な存在に違いなかった。
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