コンビニラブ

「…信じられない…こんなに近くに！？…全然気がつかなかった！さっきだってあたし、」

「だから、俺や伸治くんは、彼女を守らなきゃって必死なわけ！…なのに、君は〜…」

「…ごめんなさい。」

「ホント、気が強いから…」

「…うん。」

「ったく…俺も慌てて…やっぱマズイよなぁ…今、君がここに居る経緯も見られてるワケだし、完全に面がわれてるもんなぁ。伸治くんの彼女だなんて、今更言えないだろ…」

「…」


沈黙状態だった吉野の部屋に、
由衣のケータイの着信音が流れてきた。


「あ。」


そしてそれは伸治からのものだった。


「はい！もしもし！」


由衣は立ち上がり、吉野に背を向け、伸治に対応する。


「うん。…あ、そーなんだ！…ん？あー、家。うん、わかったぁ。…はーい！じゃね！あとで！」


電話を切ると、ゆっくりと振り返り由衣は言った。


「今から帰るって。ホントにサッカー仲間と会ってたみたい。」

「ふーっ。君のことだから“会いたい！”って騒ぎ立ててたんだろ？伸治くん、一人さっさと切りあげて帰ってくるんじゃん？」

「だって、急に用事ができたって言うから、」

「信じてやれよぉ、ホント…」

「あたし帰らなきゃ！」

「もうさぁ！伸治くんに会うんでも、このマンションはマズイぞ！アンに見られでもしたら…」

「…わかってる！」