着せ替え人形



…だから、その呼び方は女みたいだからやめろっていつも言ってるだろ。



昔彼女に名前を呼ばれるたびに言っていた、お決まりの台詞が自然と口から零れた。



『何て呼ぼうとあたしの勝手でしょ?
感動の再会なんだからもう少し喜んでよ』


そう言って微笑んだかと思うと、急に切なそうな顔をする彼女。



…どうしたんだよ。



『言っておきたいことがあるの』



…言っておきたいこと?



『あたし、真紀ちゃんにいっぱい迷惑かけたから…ずっと謝りたかった。
いつも甘えてばっかりで、わがままでごめんね。

あたしのことずっと見ててほしくて…幼かったね』



…いきなりどうしたんだよ。


『あたし、真紀ちゃんが好きだったよ。
ずっと言いたかったけど、どうしても言えなかったから…

あなたがこっちまで帰ってきたのをいいことに、夢の中にまで会いに来ちゃった。
最後までわがままなあたしでごめんなさい』



言いたいことはたくさんあるのに、そこから先はいくら声を出そうとしても出てくれなくなってしまった。


ただ、涙だけが溢れだす。


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