先生愛!
涙を必死にこらえて顔が歪んでいたせいか,
「入院…延びるの…嫌?」
と,先生が顔を覗き込んで聞いてきた。
「いっ…いえ!是非,居させて頂きますっ!!」
入院したいってのも変な話だけど,今の私は…嬉しかった。
ガラッ
看護士さんが糸をもって帰ってきた。
「じゃあ,縫いますね。」
そう言って,先生はゴム手袋をはめ,用意しだす。
「あっ…あの!!
まさか,このまま縫いませんよね?!」
そのまま縫いそうな雰囲気に怖くて怖くて,耐えられずに尋ねた。
「う―ん。どうしよ!?」
意地悪な,あの笑顔を浮かべながら私を見る。
「しょうがないから,局所麻酔してあげる。」
先生の,イケズ。
初めからそのつもりだったくせに。
私の反応を伺う為にわざと…
そんな,甘い声で。
ずるいよ…先生…