ハレルヤ




まともに彼の笑顔を見たのは
初めてだった。


いつも下を向いていたし
遠目にしか見た事なかった。





「何ジーッと見てんねん
 顔にご飯つぶでもついてるか?」


彼は変な顔をして自分の顔を指差した。



あたしは面白くて少し笑った。



「初めて俺に笑ってくれたな」




彼は嬉しそうに笑って言った。


すごく綺麗な笑顔だった。


まるで…太陽みたいな笑顔――。


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