ライアープリンセス~偽りのお姫様~
「夢叶様、お車の準備が出来ました。」
「………。」
健斗さんの声にも、反応出来ない。
私の中にある悲しみと後悔。
「…無理…でしたら、行くのをお止めになられますか…?」
健斗さんはいつものように、私の前で膝をつけ顔を覗き込む。
優しく笑うその瞳の奥に、哀しさが見え隠れしているように思えた。
「…だ、いじょうぶ。」
静かに立ち上がった。
お祖父さまの葬儀へ向うために。