ライアープリンセス~偽りのお姫様~

最後の告白



長い間私は包まれていた。

健斗さんの胸に――。

「もう泣かないで。」

紛れもなく、健斗さんの声。

耳に当たったその胸から、トクトクと鼓動が聞こえた。

あまりにも突然のことに私は、何の反応も出来ない。

その手はゆっくりと私の髪を撫でる。

鼓動は健斗さんと合わせるように、速さを増した。


< 177 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop