ライアープリンセス~偽りのお姫様~
車が住宅街を抜け、緑が茂った道を進む。
「間もなく到着致します。」
バスの運転手さんのようなアナウンスが入った。
だ、誰?
キョロキョロと見回しても、私と健斗さんだけ。
健斗さんの後ろにあったガラス越しに、この車の運転手さんがチラリと横顔を見せた。
あ、あの人ね。
私の余裕は段々となくなる。
もうすぐ、もうすぐ着くのだ。
固く目を閉じ、両手を合わせる。
私、上手く出来るかな?
『偽りのお嬢様』を。