『短編集』
まともにタクミの顔が見れなくて、
空を見上げた。
上を向いてないと、
涙が落ちてきそうだし。
あぁ、雲が流れていく。
雲って、あんな風に、動いていくんだ。
少しでも、
タクミから意識をそらしたくて、
ぼんやりとそんなことを考えてみた。
沈黙が、やけに長くて・・
断ってくれればいいのに、
なんて、
意地悪なことを考えるあたし。
「う~ん。
じゃあさ、
放課後、屋上に来るように伝えてくれるか?」
「え?付き合うの?」
あたしの言葉に答えずに、
タクミはあいまいに笑った。