幼なじみは先生


足に鳥肌がたってきた


何でこんな時期にワンピースなんて着てきたのだろう…


「……」


数分すると何故だか車内が暖かくなってきた


ハッとして横に顔を向ける


いっくんは当然のように運転していた


いっくんは優しい…

あたしが寒くなってきてるの気づいたんでしょ…?

いっくんの不器用な優しさに胸が張り裂けそうになる

『これ、着とけ』

そう言うといっくんは自分のジャケットをあたしに渡した

そのジャケットをあたしは大事にぎゅっと抱き締めた

「車…止めて」

かすれた声で彼に訴える
『もう、着くから乗ってろ』

車、止めてよ

一緒にいると…


胸が張り裂けそうになるの…


いっくんのこと、諦められなくなるんだよ…


「やっぱり、おろして」

「あたし、おり…」

唇に柔らかい感触が広がった

「っ…」

いっくんの瞳に奪われそうになる

吸いこまれる…


信号はまだ赤い
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