猫に捧げるRPG
「ちょ、何するんだよ!」

俺が太助を抱え上げようとすると、すかさず魔法が飛んできた。

「邪魔をするな、相模。いかに勇者の子孫とて、そやつを庇うなら私はそなたを敵と見なさねばならない」

魔法を使ったらしいレティシアが悲しげに俯く。

「知るか! そっちにどんな事情があろうが、猫の敵は俺の敵だっ!」

矢のように降り注ぐ魔法をかい潜って太助の元に転がり込む。

弱々しい声が痛々しい太助を抱えて振り向く。


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