ピンチヒッター
「やっぱり藤原さんにはマネージャーやって欲しかったなぁ」

「へ?」

今そんな話してたっけ?

「あの二人に勧誘任せたのがいけなかったかなぁ」

自分の世界に入り込む長谷川先輩


あれだ

会話はキャッチボールって言うけど

自分の投げたボールをスルーされて、新しいボールを投げ返された感じ


「あの、長谷川先輩?」

「あ、ごめんごめん。
実はね、あたしが藤原さんをマネージャーに誘うよう頼んだの」

「いや、先輩、今はそういう話じゃなくて・・・・・・」

「大丈夫、藤原さんの言いたい事はわかってるよ。
どうしてあたしが頼んだが聞きたいんでしょ?

えっと、あれは確か、今年度最初の練習試合の後くらいだったかな。正太君、元気なくてね、声掛けてみたの。そしたら女の子のことで悩んでるって言うじゃない?そうなったらあたしの出番でしょ!先輩として、後輩の相談には乗ってあげなきゃっていうかさ。お姉さん的な立場としてアドバイスしてあげたいじゃない?マネージャーってこういう事もしなくちゃいけなくて大変なんだよ~。あ、この前もね・・・・・・」


どうやら、地雷を踏んでしまったらしい

長谷川先輩のマシンガントークを全て文字にしたら腱鞘炎になりそうなので

要約するとこんな話だ


あたしが正太を避けてた時

正太もあたしの事で悩んでて

長谷川先輩が相談に乗ってくれたらしい

その時にあたしの話を聞いて

是非マネージャーにって思ったんだって

正太と桜庭亮に勧誘させるも失敗し

あたしがチア部に入ったから諦めてたんだけど

今のあたしの話に感銘を受けてもう一回誘ってくれたのだ



でも、断る事にした

あたしにはチア部があるし

掛け持ちは両方中途半端になりそうで嫌だったから


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