ピンチヒッター
第十八章 決勝戦
「ねぇ真季、テレビだよ、テレビ!
メイクもうちょっとしてくれば良かったかなぁ」

亜矢はテレビカメラを見つけてそわそわしてる

決勝戦となると生中継されるわけで

全く気にならないと言えば嘘になるけど

「メイク気合入れても汗で全部流れるんだから。
今は試合に集中!!」

亜矢にだけじゃなく、自分にも言い聞かせた


う~ん、今日も暑いなぁ

「・・・・・・あのさ、真季ありがとね」

「え、何が?」

「今あたしがココにいるのは、真季がいてくれたからだから。
亮君達の真似して、改めてお礼をね」

そっか、亜矢も同じ気持ちだったか

「お礼を言わなきゃいけないのはあたしもだよ。
亜矢のおかげでチア部に入れたんだから。
ありがと、亜矢」

「うん」

「でも、しんみりモードになっちゃダメだよ!
あたし達がココにいるのは野球部のおかげでもあるんだから。
恩返しのためにも、応援ガンバロッ!!」


今のあたしは本当に恵まれてる

正太がいて、桜庭亮がいて、亜矢がいて、

美歩、由紀、奈美ちゃん、長谷川先輩もいる

皆のおかげで毎日が凄く楽しくて

おまけに甲子園が懸かった大事な試合を応援できる

皆に、感謝しなくちゃね
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