ピンチヒッター
昼休み、何となく屋上にやってきた

頭の中グチャグチャ

とりあえず風にあたりたかった


「何してんだよ」

「・・・・・・桜庭亮か」

「お前さぁ、その呼び方やめない?」

「何で?」

「ムカつくから」

「じゃあ、やめない」

桜庭亮は溜息を漏らしながら隣に立った

「ありがとな」

「何が?」

「試合、応援に来てくれただろ?」

「あんたの応援じゃないけどね」

・・・・・・正太の応援だもん

「え、お前もしかして、
正太が打てばチームが負けてもいいって思ってる?」

「な、そんなわけないじゃん!」

「じゃ、いいだろ」

桜庭亮は少年のような笑顔を見せた

・・・・・・こういう顔もするんだ

「チームの応援ってことは、
俺の応援でもあるからな」

「何言ってんだか」

そう言ってみたけど、正直否定できない

結局、完封だもんなぁ

あれ?なんか引っ掛かりがあったような・・・・・・

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