REGRET ―忘れられない人―



何時間もかけて、拭き続けた。


携帯電話があればな。

俺は花帆に電話して、大丈夫だからって言ってあげられたのに。




翌日、花帆は学校を休んだ。



せっかく机が綺麗になったのに、花帆は休み続けた。





家に行く勇気もなく、電話番号も知らない。



俺は花帆が休むたびに、自分のせいだと思い、胸が痛んだ。




その想いが1ヶ月程、続いていた。



いつの間にか、俺の心の中にある罪悪感が、違う感情へと変化していた。





「どうして来ねぇんだよ」




友達に愚痴る日々。


苛立つ感情と戦っているうちに、俺は花帆を忘れたくなった。




もういいやって。

投げ出したくなった。



< 28 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop