REGRET ―忘れられない人―
何時間もかけて、拭き続けた。
携帯電話があればな。
俺は花帆に電話して、大丈夫だからって言ってあげられたのに。
翌日、花帆は学校を休んだ。
せっかく机が綺麗になったのに、花帆は休み続けた。
家に行く勇気もなく、電話番号も知らない。
俺は花帆が休むたびに、自分のせいだと思い、胸が痛んだ。
その想いが1ヶ月程、続いていた。
いつの間にか、俺の心の中にある罪悪感が、違う感情へと変化していた。
「どうして来ねぇんだよ」
友達に愚痴る日々。
苛立つ感情と戦っているうちに、俺は花帆を忘れたくなった。
もういいやって。
投げ出したくなった。