オカルト・カルテ
「・・な、んで私に・・・?」



「そう警戒するな。
別にとって食おうってわけじゃない。


俺だって、これは本来の姿じゃないからな」



ってことは、依白・・なんだよね。
確か前にストラスが、


『たくさんの姿を持つから、
固定された姿を持つために依白が必要なんだ』


って言ってたよね。



依白を持ってるってことは、
誰かと契約してるとか・・・




「すでに何匹かの悪魔が会いに来ているらしいな。
先日魔界に行ったことも聞いた」



「・・何が、目的なの?」



それを聞けば彼はにやりと笑った。



「決まってる。
君主階級の悪魔を2匹も従えている人間が
どんなものか見に来た。・・・ただそれだけだ」



・・またそれか。



私はふぅっと息を吐いて、




「・・私は従えようとか思ってないよ。
ただ2人を助けたいだけ」


「ほう?ソロモンの呪いを解こうというのか。
ご立派な話だな」



そう言って嘲笑するようにハッと笑った。
わずかに空を見上げ、月をじっと見る。




「・・・貴方だって、恨んでないの?
ソロモンのこと・・・・」



それを聞けば彼はわずかに耳をぴくりと動かした。




「恨んでいないと言えば嘘になるが・・。
ヤツのおかげで良い方向に転んだこともあるからな。


それに、呪いを解いたところで救われるとは限らない」



「!そ、そんなのわからないよ!」







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