うしろの猫
状況が全く理解できないで呆然とその場で立ちすくんでいると、
早智子ちゃんが心配そうに「大丈夫・・・?」て、言ってくれたけど正直言って・・・

・・・わたし、大丈夫じゃなかった・・・


頭が混乱して・・・何がなんだか解らなくなったの・・・?


いじめっこのうしろにいた100匹の黒い猫・・・?


他人を哀れむ傍観者の目をした100匹の黒い猫たち・・・?


いじめっこに立ち向かった1匹の赤い猫・・・?


裏道から聞こえてきた悲鳴・・・?


悲鳴のした裏道から現れた、たくさんの赤い猫たち・・・?


わたしと早智子ちゃんや、みんなの中に消えて行ったたくさんの赤い猫たち・・・?


あの、たくさんの赤い猫たちは、なに・・・?


わたし、その時もうパニックになりかけていたのよ。




「ねぇ?本当に大丈夫・・・?」


わたし、早智子ちゃんの心配そうな声で我に返ったの。



そして早智子ちゃんは、わたしの手を握りながら家まで送ってくれたのよ。



わたしは、家に帰るとご飯も食べずに眠ってしまったわ。




もう、何も考えたくなかったから、何も思い出したくなかったから・・・





そのまま、とても深い眠りの世界に誘われて、すぐに眠りについたの。






今日の起きた事が、全部夢だといいなと思いながら・・・
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