うしろの猫
その何かを見極めるように、わたし立ち止まっていたら、その何かが現れたの。



その何かはね・・・?




・・・猫だったの・・・



・・・赤い猫が、たくさん裏道を駆け下りてきたの・・・



しかも、1匹だけじゃなくて数え切れないほどの赤い猫が・・・



裏道を駆け下りて来た赤い猫たちは、群れから散るように自由に走り去っていくのよ!



そして、その中の数十匹の赤い猫が、わたしと早智子ちゃんの方に向かって走って来たのよ!


わたし、驚いて早智子ちゃんに「猫がこっちに向かってくるよ!」て、慌てて言ったんだけど。


・・・早智子ちゃんには、赤い猫は見えなかったの・・・?



その時、わたし気づいたの、赤い猫は、いじめっこの後ろにいた100匹の黒い猫たちなのだと・・・



でも・・・どうして赤なの・・・?



そう思っていたら、赤い猫たちは、わたしの横を通り過ぎて行って。


その中の2匹が、わたしと早智子ちゃんに飛びかかってきたの!


「早智子ちゃん、危ない!」そう、わたしが叫ぶと同時に赤い猫たちは、わたしと早智子ちゃんの中に入って消えてしまったの!


早智子ちゃんは、わたしの叫んだ意味が解らず戸惑っていたわ。


でも、わたしは早智子ちゃんより戸惑ったの!

だって赤い猫たちは早智子ちゃんだけでなく、さっきまでここにいた学校の子達全員に向かって走って行って、そのまま全員の中に入って消えてしまったんだもん?



・・・どうして・・・?



・・・なんで・・・?


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