うしろの猫
あの赤い猫たちは、わたしや早智子ちゃんや他のみんなの中に入って消えてしまったから、絶対捕まらないし、見つからない・・・



・・・赤い猫たちが、いじめっこを殺した・・・



おそらく、いじめっこを殺した赤い猫たちは、いじめっこのうしろにいた100匹の黒い猫たちだと思うの・・・




わたし、そのとき恐ろしい事に気がついてしまったのよ。




もしかしたら、いじめっこを殺したのは、わたしかもって・・・?




わたしが、いじめっこを睨みつけたときに、わたしの前に現れた1匹の赤い猫が、いじめっこに向かっていったから、いじめっこのうしろにいた100匹の黒い猫たちも、赤い猫になっていじめっこを、襲ったんじゃないかと。



わたしの前に現れた、1匹の赤い猫は、わたしの想いだったのかも?



怒り。憎しみ。負けたくない。その想いが赤い猫になって現れたのかも・・・



わたし、怖くてたまらなかった・・・罪悪感で心が潰されそうになったの。



いじめっこに、ごめんなさい。ごめんなさい。と何度も心の中で誤ったのよ。



早智子ちゃんが、電話の向こうで話しているけど、わたしの耳には入らなかった。



それでも、なんにも答えない わたしを心配して早智子ちゃんは、優しく話してくれたの、怖くてしょうがなかった、わたしを励ますように話し続けてくれたのね。




早智子ちゃんの声を聞いていて、わたしの恐怖心が薄らいできた時に、
感じたことがあったのね?


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