うしろの猫
・・・早智子ちゃんの声・・・


・・・なんだか嬉しそう・・・


なんでだろう・・・? 早智子ちゃんの声が明るく感じるの・・・?


いじめっこが、死んだから・・・?


「それは、違う!」わたし慌てて、その思いを打ち消したわ!


早智子ちゃんは、そんなこと思う子じゃない、誰にでも優しい子だから。


早智子ちゃんは、まだ話してくれていたわ、なにも答えないわたしを気遣うように。


そして、早智子ちゃんの話しの中に出てきた言葉に、わたし驚いたのよ!


早智子ちゃん、言ったのよ「わたしも、いじめっこに蹴られた」と・・・


・・・早智子ちゃんも、蹴られたていた・・・!


「何度も、何度も蹴られた。」そう早智子ちゃん、わたしに言うのよ。


その時の早智子ちゃんの声・・・



・・・すこし怖かった・・・







早智子ちゃんとの電話を済ませて、しばらく1人で考えていたら・・・


わたし、解ったの。いじめっこを殺したのは誰なのか。


いじめっこを殺したのは、わたし・・・


でも・・・いじめっこを殺したのは、わたしだけじゃない・・・・


早智子ちゃんたちと・・・みんなも殺した・・・


あの、赤い猫は、みんなの心の中の想い。


いじめっこにいじめられた、大勢の子達の怒りと憎しみの想いが作り出した猫たち・・・


その想いの猫たちが、怒りの爪、憎しみの牙を使って、いじめっこを切り刻んで殺したのよ。




・・・赤い猫になって・・・
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