うしろの猫
やがて反対側のプラットホームに電車が来て、あの3人は、わたしと早智子ちゃんを睨みつけながら去って行った。


きっと、あの3人は明日にでも早智子ちゃんを溜まり場の学校の屋上に呼び出し、いじめるだろう・・・






・・・本当にバカな人たち・・・



わたしは、心の中でつぶやいた。




・・・あなたたちの、うしろにいる黒い猫は、たしかに1匹だけど・・・




・・・その猫は、とても大きな黒い猫なのよ・・・




・・・あなたたちが早智子ちゃんを、いじめ続けていたから黒い猫は、虎よりも大きくなってしまった・・・



・・・その牙は怒りの牙・・・



・・・その爪は憎しみの爪・・・




・・・その事も忠告してあげれば良かったのかしら・・・?




・・・きっと無駄ね。あなた達は、わたしの話などすぐに忘れて早智子ちゃんをいじめるでしょうから・・・



・・・本当にバカな人たち・・・



・・・あなたたちが今度、早智子ちゃんをいじめた時が最後・・・





・・・早智子ちゃんの赤い猫が現れて、あなたたちのうしろにいる虎より大きい黒い猫を凶暴にするわ・・・




・・・そして、怒りの牙と、憎しみの爪で、あなたたちを引き裂くの・・・




・・・早智子ちゃんの赤い猫が、あなたたちに怒りと憎しみを向けた時に・・・




・・・あなたたちの全てが終わる・・・・







人込みで混雑する駅のホームで別れを惜しむ二人。



早智子ちゃんの足元には誰にも見えない、わたしの赤い猫がいる。



・・・そして、わたしの赤い猫と仲良くじゃれあってるものがいる・・・・・




・・・それは、たったいま生まれたばかりの・・・




・・・早智子ちゃんの・・・






・・・赤い猫・・・




    
            [完]
< 29 / 29 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:8

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

恐怖 DUSTER
欠片/著

総文字数/148,475

ホラー・オカルト190ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
思いついた恐怖を、放り込んでいこうと思いますので、完結はしません。 あくまで、思いついたらですので、中々DUSTERに放り込めないかもしれませんけど・・・
いなくなる
欠片/著

総文字数/45,691

ホラー・オカルト61ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
教室の空席を見て、あなたは最初に何を 思いますか・・・? その席の人は欠席したと思いますか・・・? それとも早退したと思いますか・・・? そう思った時には、その人は既に・・・ いなくなっているのかもしれません・・・
机上の悪魔
欠片/著

総文字数/11,233

ファンタジー15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
誰もが経験したことがあるであろう授業中の尿意。そして誰も経験したことの無い悪魔降臨。そのふたつの出来事を同時に体験した少年の物語です。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop