雨夜の月
嵐の好きなもの。


そんなの知らない。


嵐の嫌いなもの。


そんなのも知らない。




其処から始める必要はなくて、それを求め合ったわけでもない。


だけど。


好きでたまらない。




失くしきれなくて、繋がっていたくて、見える所に居て欲しくて。


嵐と私と千里と。

それ以上に知られることがないように、私は気を張り続けるしかないし、私にできることなんだ。





あげるよ嵐。




貴方の生き易い環境を、私があげる。

だからね、このままでいてね。



私なら、心配いらないから。




こんな決意は、私を強くさせた。

だって守りたいものは、嵐の笑顔だったから。

辛くても、嵐の笑顔は私に潤いを与える。



ただ、それだけ。



もう、それだけ。



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