カウントダウン
「なーに人の顔見てんだよっ」
あ。
テレた。
「いや、なんとなく…」
その時、ふと思った。
そーだ。
さっきの男の人……
あたし、今まで出逢ってきた男性の中で
夏樹が一番素敵だと思ったから付き合ってるんだもん。
さっきの男性は、きっと知らない人だったんだ。
夏樹並みにカッコ良かったから、会ったことあるなら覚えてるはずだもん。
あたしがたまたま、あの男性の知ってる『キョウコ』って人に似てただけ。
あたしとは何のカンケーもない。
何の根拠もなかったけど、そう思った。
「どれが分かんねーの?」
夏樹の声に現実に引き戻された。