Princessの掟
美吏那side
昨日、百合亜からあることを頼まれた。
親友としてはかなりの反対。
でも、百合亜が決めたことなら私はそれに従う。
「美吏那!!」
呼ばれて振り返ると走ってきて息を切らした百合亜がいた。
「今日はごめんね?」
そういつもの様に笑った百合亜だけど、少し目が腫れている。
「………」
「美吏那?」
私が黙っていると百合亜は不審に思ったのかこっちを覗き込んでいる。
「ううん、何でもない。それより大丈夫なの?」
「うん。自分で決めたことだから……。」
強がっている百合亜を見ると心が痛んだ。
ごめんね……
何も助けることが出来なくて。
「じゃあはい。これお願いね!!」
そういい百合亜は私に小さな箱を渡してきた。
「任されました。」
その箱を私は大切に鞄にしまった。
「じゃあ…この後用事があるから。」
車に乗り込み去っていく百合亜を私はただ見送った。