Princessの掟
しばらくボーとしていると目の前に人が現れた。
「百合亜ちゃん。」
そう目の前に現れたのは五十嵐拓磨。
さっきのことがあったからか少し顔が強ばってしまう。
「何のようですの?」
「今日会って分かっちゃった!百合亜ちゃん、城東君が好きでしょ?」
いきなりなにを言いだすかと思ったら。
「な、ななななんで!?」
「へへへ。百合亜ちゃん見てたら分かるよ!」
と笑う五十嵐拓磨。
可愛いい顔して以外と憎いな。
私って顔に出やすかったっけ?
自分では気付かなかった。
「だから、婚約のことは保留にしてあげる!」
笑っていたと思ったら急に真面目に言ってきた。
「本当にいいんですの?」
「言ったじゃん。僕は百合亜ちゃんに本気で好きになる人が現れないかぎり、婚約を進めるって。だから!でもあの人が百合亜ちゃんを泣かせることがあったらその時は容赦しないよ?」
そう言う拓磨くんは可愛いいではなくてかっこよかった。
「ありがとう。」
拓磨くんの優しさに涙が溢れた。
「あらら、泣かないで!僕が泣かせたみたいだろ?」
そう言って私にハンカチを差し出してきた。私に触れないのは拓磨くんなりの気遣いだと思う。
「百合亜ちゃん。君の王子がお出ましだよ。」