あたしの執事
当然家にいるのはあたしと如月さん…如月だけ。大声を出した所で意味もなく終わる。


「それでは千秋様、お部屋へご案内いたします」

「あ…悪魔」

「…何?千秋」

「!」


勝ち誇ったような顔をして、あたしを呼び捨てる如月。ふざけんなと思いつつもそれを口に出せない自分に腹が立つ。


「お着きになりましたよ」


そう言った目の前の鬼畜は、あたしに立ち塞がる大きなドアを開けた。


「おー…」

「どうです?自分の身の程が分かったでしょう?」

「つくづく嫌味しか出ないな…」

「お褒め頂きありがとうございます」


褒めたつもりはなのだが、どうやら変な勘違いをさせてしまったらしい。
< 11 / 134 >

この作品をシェア

pagetop