あたしの執事
あたしがそんなことを思っていると、隣でベッドが軋む鈍い音がした。


「マジ」


視界が一瞬ぐらつく。グラスを持っていないほうの手で、顎を持たれ唇が重なる。


「目閉じてよ」


空気を吸うほんの数秒の間にそういう玲。あたしは、静かに目を閉じる。

キスが終わったかと思うと玲はあたしの頭をなでた。


「…どうかした?」

「いや別にーこの液本当になんか酒っぽいから…その効果かな」

「何よそれ」


そう言ったあたしは笑顔を見せた。何事もないままこのまま時が過ぎてくれればいいのにな、と心底思う。

タイルで覆われた壁一面をぐるっと見回し、項垂れた。


「移植受けてみよーかな」


忘れかけてた話題。それをぽつりと言った玲。
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