あたしの執事
ぴしゃりとそう放った後、自慢の巻き髪をなびかせ去って行く。


「素晴らしいお嬢様だね…ある意味で」

「えぇ、小牧様のこの勇敢さには思わず見とれてしまいますよね」

「玲様!今おっしゃったことは、わたくしに少しは気があると受け取ってよろしくて!?」


目をハイパワーに輝かせ、思い切り振り向いた巻き髪嬢。あたしは呆れ顔で呟く。


「そこだけ地獄耳か…」

                                  
如月はというと、困ったような顔をこちらに向けて、必死に頑張って対応しているふりをしていた。


「あ、あの小牧さん…誤解を持たせたこちらも悪いのですが…」

「誤解!?わたくし達の愛に偽りなんてございませんわ」

「ですからね、こま…」

「いい加減にすれば?見苦しいんだけど」


誰かが最もな言葉を簡潔に響かせた。
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