Tales of Love
夜、風呂から上がった美里は何よりも先することがあった。机の中から一冊のノートを取り出して今日の日付を書き込む。夢の中でテルにあってから毎日書いている日記だ。テルが帰って来たときにうれしかったこと悲しかったこと笑ったことなど一杯話せるように、約束のために美里は一日も欠かさず日記を書きつづっていた。

美里の部屋のカレンダーは去年の九月から止まっていた。髪と同様にテルが帰って来た時にこれだけの時間が経ったことをわからせてやるためだった。
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