ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
ミナキくん……反則。


いつもはツンってすましてるくせに、そんな可愛い笑顔見せるなんて……。


そんな笑顔見たら、誰だってドキドキしちゃうよ。


「バーカ、嘘だよ。

病人襲うのは趣味じゃねーんだ」


ミナキくんがワシワシと私の髪をかき混ぜる。


「今日は病人ってことで、特別に見逃してやるけど……。

次、あんな無防備な寝顔見せてみろよ。

間違いなく襲うからな」


ミナキくんが妖しく笑った。


「ミッ……ミナキくんのバカあ!」


「は?

その生意気な口、塞いじまうぞ?」


ミナキくんの人差し指が私の唇をなぞる。


ミナキくんに触れられた部分が、ジンジンと熱を帯びていく。


……やっぱり、夢じゃない。


本物のミナキくんだ。


じゃあ……やっぱりさっきの出来事も夢じゃなかったんだよね……?


いっぱい泣いたのも、いっぱいドキドキしたのも……。


ミナキくんが言ってくれた、あの嬉しい言葉も……。


全部……夢じゃなかったんだよね……?


ミナキくん、ずっと看病してくれてたのかな?


どうしよう……。


なんだかすんごく……すごくすごくすごく……すごーく嬉しい。

 
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