小鳥の翼
小鳥の翼
空は晴れ渡っていて


からっとした風が


ぼくの冷たくなった肌をかすめる




人々は


悲しいような


汚いものを見るような


そんな目で


ぼくを見ながら通りすぎていく




生まれて7日目に


ぼくの命は


終わりを告げた




ぼくの夢は


母さんみたいに


大空を飛ぶことだった




ぼくは死んだ


だけど


魂は地上を離れない




母さんの元にもいけない




ぼく


ずっとこのままなのかな




ぼくの体は腐っていき


魂は変わることなく


ここに留まり続ける




誰もぼくの死を


悲しんだりしない



だれか




たすけて




死んでいるのに


すごく


苦しい




ぼくの魂の抜けた体は


ぼくから見ても


無惨な状態だ




たぶん


猫かカラスに食べられたたのだろう




目はえぐられ


内臓は飛び出している




どこが顔なのかわからないくらい


ぐちゃぐちゃ




道行く人々に


申し訳なくなった




こんな汚い姿をさらけだして




気分を悪くするだろう








かなしい








< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop