愛され彼女
1人の茶髪が話し掛けてきた。
「だから授業戻ってって。」
あたしの呼びかけもむなしく茶髪はベラベラはなしはじめる。
「一條さん可愛いよね!あ!俺山内 南津!なつって呼んでえー」
山内って……多分クラス隣のやつ。
なつは立ってあたしの肩に手をかけた。
「ちょっ。やめてっ…」
そういうつもりだった。だけどその言葉は向井 和人によって防がれた。
「なつ。そいつ俺の」
そりゃ彼女になった覚えなんてない。
そりゃさっきまで断るつもりだった。
だけど…だけど不覚にも喜んでる自分がそこにいた。
向井 和人の1声で倉庫のなかは静まり返った。
その時気づいた。
あぁ。向井 和人はきっとボス的存在なんだなあって。