鋼の心
「…ル、ルシュア…ラン…デア」
小さな声で呟くように言うと、
そっと手を離された…。
へなへなと、座りこんだ
ルシュアを上から見下げる男…。
ルシュアは下から彼を睨み上げる…。
唇で沿われた首を手で拭いながら…。
「ろくでなしっ!」
という大声も交えて…。
そんなルシュアを無表情で見つめる男と…
後ろの取り巻き…。
この時のルシュアには
憎しみ以外の感情なんて無かった。
そう…この時までは…。
復讐を信じていたのだった。